新井由木子【思いつき書店】

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母心は飛行機に乗って/新井由木子

わたしの故郷、伊豆諸島と本州を空路で結ぶのは、たった8人乗りのプロペラ機でした。  2席…

無意識な音について、あらためて意識してみた/新井由木子

その日、実家の居間では、母が趣味のピアノを弾いていました。曲は「あなたーの、燃える手でー…

おばさんと呼ばれてゆるす場合とゆるさん場合/新井由木子

『150円ババア』 『コロネババア』  このキョーレツなあだ名は、わたしの営むペレカスブック…

なすすべはない/新井由木子

島暮しの長閑(のどか)な夕刻に、その不思議な電話は連日かかってきたのでした。  今から40…

ダブル帽子/新井由木子

「思いついたことはやってみる」と言うのは、とあるおしゃれカフェの中の小さな書店「ペレカス…

昭和100円玉物語/新井由木子

わたしがまだ小学校低学年だった頃のこと。式根島で暮らしていたわたしたち一家は、夏休みごと…

島の雨/新井由木子

六月に帰郷すると、式根島には梅雨らしい雨がザアザアと降っていました。  降り注いだ雨は島…

素早いペットボトル/新井由木子

坂道ばかりの島で、母に見守られながら、わたしは転がるペットボトルを追いかけていました。 …

我が家の大声ダイヤモンド/新井由木子

わたし「なんで女は痛風にならないのかねえ!」 父「なるらしいよ、女も。閉経すると」 母「え…

路上にて(かなしみのマグロ)/新井由木子

路上にて。人々はいつもどこかへ向かう途中です。夢が達成される目的地こそが楽園だと思ってい…