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スギアカツキ【たまごのはなし】第37回 ベルギー郷土料理「ワーテルゾーイ」に心もお腹も掴まれた!

先日、「ベルギーヨーグルト」なる、新しいヨーグルトが日本上陸とのことで、東京・代官山で開催されていた「ベルギーヨーグルトカフェ」に足を運んでまいりました。

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代官山SIGN ALLDAY(サインオールデイ)で開催されていたベルギーヨーグルトカフェ。(2019年10月16日~11月7日)

ここでの主役はもちろん、ヨーグルト。ベルギー・ピュアナチュール社の伝統製法を受け継いで日本で製造される「ベルギーヨーグルト ピュアナチュール」は、究極のなめらかさと濃厚なコクが調和したグルメヨーグルトで、そのままでももちろん、料理にも取り入れたくなるほどの上質な味わいに感動したのでした。高タンパクで濃密な“ギリシャヨーグルト”と、気分や用途によって使い分ければ、より豊かなヨーグルト生活が広がることでしょう。

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カフェではベルギーヨーグルトを料理に使ったメニューもたくさんいただきましたが、その中に、「ワーテルゾーイ」というベルギーの郷土料理がありました。そもそもベルギー料理の特徴は、フランスに隣接していることもあり、北部フランス料理を基礎としています。イメージとしてはクラシカルなフレンチ。バターやクリームをたっぷり使って煮込む料理が特徴的だそうで、ワーテルゾーイはまさにその流れを踏襲しています。鶏肉などの淡白な肉類を煮込み、生クリームと“卵黄”を加えたソースで仕上げた料理です。

これをヘルシーにするべく、生クリームの代用としてベルギーヨーグルトを使えば、余分なカロリーや脂質のセーブにつながります。また、クリーミーなだけではない酸味や甘味が加わるため、料理の味にも洗練された奥深さが生まれます。たまご好きな私にとっても、心に残る一皿になったのでした。

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今回いただいたワーテルゾーイは、日本のフランス料理界のなかでは最年少(当時29歳)で二ツ星を獲得した厚東 創(ことう はじめ)シェフによってアレンジされたスタイリッシュな一皿。鶏むね肉を低温調理し、使う生クリームの一部をベルギーヨーグルトで代用したモダンテイストに心酔した私は、翌日、なるべく簡単に調理できることや、自宅ならではの家庭的な味を意識しながら、自分なりにワーテルゾーイを作ってみることにしました。

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一口大に切った鶏もも肉(塩・胡椒で下味をつける)をこんがり焼き、マッシュルーム・玉ねぎと共に少量のコンソメスープでコトコト……。そして最後に市販のホワイトソースの缶詰と無糖ヨーグルト(大さじ2~3)、卵黄(2個)を加えて1分程煮込めば完成です。

簡単ながらも満足のいくテイストにまとまりました。普通のクリーム煮に比べると、卵黄2個分のリッチ感が満ち満ちていて、メリハリのある仕上がりに。まるで太陽の光が料理に注(そそ)がれたような、健やかなエネルギーをまとっています。一度覚えたら、お気に入り料理の一つになるに違いありません。さあ、皆さんもぜひお試しくださいね!


文・写真:スギアカツキ/食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)、女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。
「みなさん、一番大好きな食べ物ってなんですか? 考えるだけで楽しくなりますが、私は『たまご』という食材に行きつきます。世界中どこでも食べることができ、その国・エリア独特の料理法で調理され、広く愛されている。そしてなにより、たまごのことを考えるだけで、ワクワクうれしい気分になってしまうんです。そこで、連載名を『たまごのはなし』と題し、たまごにまつわる“おいしい・たのしい・うれしい”エピソードを綴っていきたいなと思います」
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