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見つけた! おいしい味付けたまごを作るベストシンプルレシピ/スギアカツキ

好きなたまご料理は、何ですか?
だし巻きたまご、オムレツ、目玉焼き……。
心が躍る元気なイメージを与えてくれる永遠のメニューがたくさん思い浮かびますが、私が近ごろ、何げなくハマっているのが、自分で作る「味付けたまご」です。
最近ではコンビニやスーパーでもラーメン材料の1つとして必ず置いてあるほどの存在感。
どれも大概似た味ですが、皆さんは自分で作ったこと、ありますか?

私が味付けたまごを作り始めたきっかけは、ステイホーム。
いつもよりも時間ができたのだから、大好きなメニューこそ手作りしてみよう!
どんな状況下でも、自分の大好物は自作できる“食の自立”を目指して作ってみたのです。
そして、たまごの半熟具合以上に追求したのが、漬け込むタレの味加減でした。

ここでは、度重なる試作を経て、現時点でたどり着いたマイベストなレシピをご紹介したいと思います。

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漬けるタレについてですが、なるべくシンプルな配合で作りやすいことと、調味料本来の味や風味が活きていることが、私にとっては大事なポイント。
そしてたどり着いたのが、醤油と黒蜜(くろみつ)を水で割ったもの。
ゆでたまご4~5個につき、醤油100ml、黒蜜50ml、水150mlという配合です。

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そうです、黒蜜なんです。
黒蜜は、和菓子ではおなじみの甘味料。
市販の黒蜜は、黒砂糖やハチミツなどがバランス良く配合されていて、実は料理用としても、濃厚なコクと華やかな甘味をつけるためには最適な材料です。

まず、半熟ゆでたまごを作りましょう。
ゆでたまごの作り方は、この連載の第1回でご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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タレは加熱不要
加熱すると醤油も黒蜜も風味が落ちてしまうので、そのまま使います。
ただし、タレを何度も使い回す場合は、使用後の加熱は必要になります。
あとは、調合したタレに半熟ゆでたまごを浸すだけ。

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漬ける時間は、常温の場合は2~3時間
冷蔵庫の場合は半日~2日まで。
2日を超える場合は、濃くなりすぎないよう、水の量を200mlに増やしてください。
出来上がったたまごはこんな感じ。

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美しい琥珀色に輝くたまごは、ただそこにあるだけで魅力的。
見た目や香りにも存在感があり、食欲を健やかに誘います。

そのまま単独で食べるだけでなく、野菜と和えたり、果物との相性もバッチリ。
冷蔵庫に残っていた春菊の和え物と一緒に合わせ、アメリカンチェリーをポンポンと添えてみたら、なんとも妖艶な一皿が完成しました。

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他にも、このたまごを細かくつぶしてマヨネーズと合わせ、食パンで挟めば、なんとも言えないリッチなたまごサンドが完成します。

黒蜜とたまご。
この言葉からも甘くて濃厚なイメージが伝わるでしょうか。
市販の味付けたまごでは味わえない、印象的なたまごの世界を、ぜひご堪能ください。

この連載では、「たまごが一番大好きな食材」という食文化研究家のスギアカツキさんが、その経験と好奇心を生かしたさまざまなアプローチで「たまご」を掘り下げていきます。【たまごのはなし】は、ほぼ隔週火曜日に掲載します。

文・写真:スギアカツキ/食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)、女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。
「みなさん、一番大好きな食べ物ってなんですか? 考えるだけで楽しくなりますが、私は『たまご』という食材に行きつきます。世界中どこでも食べることができ、その国・エリア独特の料理法で調理され、広く愛されている。そしてなにより、たまごのことを考えるだけで、ワクワクうれしい気分になってしまうんです。そこで、連載名を『たまごのはなし』と題し、たまごにまつわる“おいしい・たのしい・うれしい”エピソードを綴っていきたいなと思います」
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