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スイカと迎え馬/沢野ひとし

 通っていた千葉市内の高校は麦畑の広がる丘の上にあった。満員の通学バスは、田舎で育ったカボチャやジャガイモのような連中が詰め込まれ、押しくらまんじゅうであった。
 美術クラブが私の安らぎの場所であった。凛とした一年先輩の女子生徒がいつも油絵を描いていた。芸術に対して話題が豊富で、話すたびに魅かれていった。

絵を描く少女

 夏休みに入ったある日、彼女から手紙が届いていた。封筒を開けると「お盆の頃に暇だったら家に遊びに来ませんか」と地図も描かれていた。私は喜び勇んでスイカを手土産に彼女の家を訪ねた。

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スイカと迎え馬/沢野ひとし

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