表紙

沢野ひとし【食べたり、書いたり、恋したり。】第2回 白湯の力

 中国大陸各地を旅行するようになって六年ほどたつが、「白湯」の力を再認識した。
 はじめて中国に入ったのは二十数年前で、それまでは欧米の文化、ファッションに憧れを持ち、中国には見向きもしなかった。
 だが西安を訪れて、その歴史の深さに感銘を受けた。とりわけ秦始皇帝陵の兵馬俑坑には圧倒され、その後二回も行き、柵から身を乗り出すかのごとく、毅然とした兵士を見つめていた。

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