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「煮たまごのタレ」のもったいないを、おいしいご飯に変えよう/スギ アカツキ

コンビニの人気総菜になっている「半熟煮たまご」、皆さんは食べたことがありますか?

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程よく醤油味に染みた白身と半熟感が嬉しい黄身。このバランスは自分で作るとなると、それなりの技術が必要になるので、コンビニ総菜の便利さにはいつも頭が下がります。もちろん私も、ラーメンやサラダのトッピングとして活用していますが、実は食べるたびに気になることがあります。

それは、たっぷり入っている“漬けダレ”をどうするかという問題。捨てるのは、あまりにモッタイナイ。でもこの100mlくらいの調味液(甘めの醤油味。しょっぱすぎず、薄すぎず。)をどのように堅実に二次利用したらよいのか? ずっと悩んでいました。そしてこのたび問題を解決すべく、自分なりにレシピを考えることにしたのです。

目指すは、いつでも作れる気軽さと、調理の簡単さ。そして心に残るおいしさです。そして行きついたのが、常備しやすい「鯖の水煮缶」を使って、“魚の炊き込みご飯”を炊くというアイディアでした。魚介系の炊き込みご飯って、意外と作らないものではないでしょうか? もしもとっても手軽に楽しめれば、「これは覚えておきたい!」と思っていただけるかもしれません。

また、栄養面も大事な視点。ご存じの通りサバ缶は、ダイエット食材としても大ブームになりました。それをご飯に加えることで、良質なたんぱく質と脂質(DHA・EPA)、カルシウムなどが摂取でき、血糖値の急上昇を抑え、太りにくいご飯として美容効果やダイエット効果が期待できます。

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陸上で産み出される「たまご」と、海からやってくる「鯖」を組み合わせることが珍しいかどうかはさておき、両者が持つ個性をそのまま生かしつつ、追加の調味料なしで作ってみたところ、想像以上のおいしさに仕上がりました。新たな出合いに乾杯! 
 さあそれでは、早速作り方をご紹介しましょう!

『コク旨! 鯖の炊き込みご飯』の作り方

【材料(1~2人分)】
煮たまごのタレ 全量(※)
サバ缶 1缶(汁ごと)
白米 1合
ショウガ(チューブでもOK) 少々
水 100ml程度

※コンビニ等で売っている卵2個分のタイプを想定。それ以上の大容量パックの場合は、タレを100mlで計量して使用してください。

【作り方】

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研いだ米を炊飯器の釜に入れ、煮たまごのタレ、サバ缶の汁を加えます。さらに水を加えて、1合分の水分量に合わせましょう。細切りにしたショウガを加えたら、炊飯器のスイッチをオン。早く食べたい人は、早炊きでもOKです。

炊き上がりはこんな感じになります。

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かき混ぜると、おいしそうなおこげが! 香ばしい甘い匂いもたまりません……。

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お気に入りのお茶碗に盛り付ければ完成です。もともと主役だった煮たまごを加えるとより華やかになりますし、青ネギやショウガなどの薬味を添えれば風味も彩りもアップすることでしょう。

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おいしいものは無駄にするべからず。気になる人は是非作ってみてくださいね!

【たまごのはなし】は、ほぼ隔週火曜日に掲載します。

文・写真:スギアカツキ/食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)、女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。
「みなさん、一番大好きな食べ物ってなんですか? 考えるだけで楽しくなりますが、私は『たまご』という食材に行きつきます。世界中どこでも食べることができ、その国・エリア独特の料理法で調理され、広く愛されている。そしてなにより、たまごのことを考えるだけで、ワクワクうれしい気分になってしまうんです。そこで、連載名を『たまごのはなし』と題し、たまごにまつわる“おいしい・たのしい・うれしい”エピソードを綴っていきたいなと思います」
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